残り物に福?捨てられタマネギは「強運タマネギ」!? 

私には慣行栽培を行っている父親がいます。(とはいえ専業ではなく家庭農園としてですが。)

ダイコンや白菜、キャベツにブロッコリーなど様々な野菜を農薬は使わず化学肥料で育てている父親。

そのため、私が行っている無農薬・無肥料・不耕起を基本とした協生農法は全く理解できないようで、最近は見ても見ないふりをしてくれているようです。

綺麗好きで掃除好きの父親からすると特に「不耕起」という部分が「とにかく不快」なようで、ただ放棄しているだけ、雑草がそのままでみっともない、と世間に恥ずかしい姿に見える私の畑はすぐにでも壊したい存在のよう。

1年たっても溝は埋まらず、まぁまだまだ和解するには時間がかかりそうです。

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捨てるものありゃ、拾うものあり

私の畑のすぐそばには、父親が「収穫が遅れたクズ野菜」を捨てるゴミ置き場があります。

そのまま残して土に還そうというところまでは分からんでもない。

この一角だけは分解者も大忙し。

ただ、ときどき集まった野菜を焼く時があって、私の畑に燃え移らないかだけが心配。

消防団員として、自分の畑の消火活動には当たりたくないなぁ。(去年は市民農園で一件火事が起きました。)

 

・・・なんてことを思いながら、ごみ置き場を歩いていると、

ちょっと気になるものを発見。

 

あら!捨てられたタマネギから芽が出てきてる!?!?

よくみると、タマネギの6割くらいから発芽していました。

焼けることなく生き延びたんですね。なんたる幸運

体の半分を焦がし、もう半分を霜で凍らせながらも芽を出したタマネギ。

 

ちょいと持ち上げようとしたところ・・・

めりっと土がめくれあがる感覚。

 

こ、こいつ。根を張ろうとしてるぞ!!!

なんというたくましさなんだ。。。 

そう思ったが最後。タマネギから「生きたい生きたい、まだ僕らは生きられる。」という声が聞こえてくるような気がしてきます。

 

しかし、残念なことに君たちは捨てられたのだよ。うちの父親に。

どうして僕たちは捨てられたの?

生きる時期が悪かったのだ。旬を過ぎてしまっていたんだ。

旬って何?僕たち何か悪いことした?

だって・

それは・・

ただ生きようとしていただけなのに。」

・・・

 

えーーい!生きたいと願うやつ、みんな手を挙げろーーー!!!

と芽が出ているタマネギを手あたり次第、全部回収。

畑に移植することにしました。

これが偽善にもならない愚行であることは百も承知。

別に可哀そうだから、なんとかしたいと思って拾ったわけではありません。

クズ野菜と捨てられたタマネギが最後に見せた意地を最期まで見届けたいと思った。ただそれだけ。

このまま枯れるかもしれないし、育って種をつけるかもしれない。

火から逃れ、偶然私の目に留まった強運の持ち主。その運が本物なのか興味があるから拾っただけ。

ただしタマネギ君、これで助かったと安心している場合ではないぞ?

君が植えられる場所は安住の地などではない。これまで育てられてきた慣行の畑とは比べ物にならないほどの悪環境なのだ。

あの時、拾われなければと思ってももう遅い!

拾われたことを幸運と感じるか不幸と感じるかは、これからの君の行動にかかっている。

さぁ、どこまでやれるのか見せてもらおうか、タマネギの生命力とやらを!!

芽がピースサインで余裕のVマークのようにも見える???

残り物に福?捨てられタマネギは「強運タマネギ」!? ” に対して2件のコメントがあります。

  1. SiSO より:

    初めまして。しばらく前からちょこちょこ拝見させ頂いています。

    協生農法に共感するものがあって調べていてこちらのブログを発見、とても読みやすく、協生農法以外の記事も読んでいて色々とためになります。

    まだ自分では何もやってはいませんが、協生農法の理屈にはうなずけるというか、腑に落ちるところが多く、ちょこちょこっと調べています。

    先日、友人と飲む機会があったのですが(彼は自然農法の野菜を購入しています)、友人の御祖母は畑をやっているそうで、放置されいてる畑で自然農法で野菜を育ててみたいけど、祖母がすぐに世話しちゃいそうなんですよ~、なんて話で盛り上がっていたことを思い出し、和解が遠そうな話にクスっと共感してしまいました。

    またの更新、楽しみにしております。

    1. SiSOさん

      初めまして。ブログをお読みいただきありがとうございます!
      私も「人の手で【作り出し】消費を続けるだけの農業」ではなく、「他と共存することで【育まれる】農業」という協生理念に強く共感し
      持続可能な社会を実現する答えが「協生農法」にあると信じて、自分でも少しずつ実践していっているところです。

      ご友人のおばあ様の話、すごくよくわかります! 
      特にご年配の方は「世話をしないと野菜はできない」というゴリゴリの固定概念が根強いですから、
      知らないうちに草取りや水やり、時には肥料まであげる!?なんてことも起きてしまうかもしれませんね。

      でも、それもおばあ様のご友人に対する愛情から起きたことですものね。

      大塚さんでさえ、伊勢市の実験農園周りの方々に今だ理解されていないとも聞きますし、
      皆に納得してもらえるにはどうすればよいのか、日々思案が続く毎日です。

      素人のブログで、何かお土産になるものがあるかどうか、わかりませんが、
      SiSOさんに楽しんでいただけたのなら嬉しい限りです。

      これからもお暇がある時は、ちょこちょことブログに遊びに来てくださいね!

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