「魂がふるえる」生命の赤い糸!@六本木ヒルズ・森美術館

六本木ヒルズの森美術館で開催中の塩田千春展「魂がふるえる」を観に行ってきました。

ベルリンを拠点に活動している塩田千春の国内最大規模となる今回の個展。1900年代から新作まで約100作品を展示し、25年に渡る活動を網羅的に体験できるということで、機会があれば是非行ってみたいと思っておりました。

しかしながら、会場入りするまで60分という人気ぶり。。。

どうやら口コミで広がり、大盛況となっているようです。

塩田千春《どこへ向かって》※この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示-非営利-改変禁止4.0国際」でライセンスされています 

会場のエントランスにはさっそく作品が。2017年に発表された「どこへ向かって」です。

高さ11mの天井から吊られた65艘の船は、塩田千春の世界に私たちを運び誘ってくれるようです。

塩田千春の代名詞である「毛糸」と「ワイヤー」を用いられた船。

価値観も含め、社会全体がが急激に変化していく現代。

「この船に乗り、私達は何を求めて、どこに向かおうとしているのか」

そうした根源的な問いを投げかけているようにも感じます。

旅、繋がり、命、死、血、魂、エネルギー

展覧会をみて、それらの言葉が塩田千春を読み解くキーワードになっているように思いました。

塩田千春《不確かな旅》※この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示-非営利-改変禁止4.0国際」でライセンスされています 

船から湧きあがった真っ赤な糸が部屋全体に広がっていく「不確かな旅」。

「運命」「結びつき」などをイメージすることも多い赤い糸。

糸は意図。1本1本がそれぞれ人間の魂で、それらが密接に絡まり合い社会が形成されていく。

人間関係も、生命も、ネットワークも、食物連鎖も、全てはそうした細い糸のつながりによるもの。

糸は集まることで綱となり強固にもなりますが、時に激しく絡まり合いがんじがらめで動けなくなることも。

おどろおどろしいクモの巣にも、気持ちの良いハンモックにも、確かな規則性はなく気の方向で形を変える。

この船をどのように進めていくのか自分たちがイトして決めることができる。

塩田千春《ウォール》※この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示-非営利-改変禁止4.0国際」でライセンスされています

こうした赤い糸は「血」、もしくは肉体から離れた「魂」。

絡み合う糸をたぐっていくと最終的には自分に結びつき、脈々と受け継いできたDNAと捉えることもできます。

細い糸に肉体はありませんが、たしかな存在をそこに感じる「不在の中の存在」。

生を超越し、より広大なものに溶け込んでいくようなダイナミックさを感じました。

一度身体から離れた魂と魂が絡まりあって、また繋ぐ。

カミという存在は、人間を含めた動植物などの肉体を離れた魂や気の集合体なのかもしれません。

 

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赤い糸が結ぶものは他にも。こちらは「小さな記憶をつなげて」。

塩田千春《小さな記憶をつなげて》※この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示-非営利-改変禁止4.0国際」でライセンスされています

今の自分を形成しているのは、過去自分と結びついてきた数々の思い出。

生まれてきてから今まで、どんな出会いがあり、どう結びついてきたのか、それぞれが繋がっています。

糸の太さも様々。より今の自分と強く結びついているものは強固になっているのでしょうか。

この作品は塩田千春自身。その生き方、性格、全ての系統樹になっているようで、ずっと見ていられます。

作品をモチーフにした小物もたくさんあり、それを探すだけでも楽しめます。

また、この作品を展示している場所が素晴らしい。

背景にある東京の街、そこに生きる人々一人一人がこうした思い出でつながっているとでもいうような。

思い出、記憶もそうですけど、我々を形創る細胞も同じように結びついて出来ているわけですからね。

螺旋の渦を持つミトコンドリア。そのうねりもまたエネルギーの源。

ミクロとマクロ、壮大なテーマを描く企画展に私の魂は震えました。

塩田千春《集積ー目的地を求めて》※この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示-非営利-改変禁止4.0国際」でライセンスされています

もう感化されすぎて、常に目頭を熱くさせながら作品を観賞させていただきました。

塩田千春展「魂がふるえる」は2019年10月27日(日)まで六本木の森美術館で開催中。

火曜以外は夜22時と遅くまで開いているのも魅力的。

大満足。5つ星。これはもう観なければ人生損します。

自分の人生を振り返り、今後どのように船を進めていくのか、それを見つめなおす良い機会になりました。

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