川と「思い出」を作れば環境は維持される
11月17日18日に開催された「SEA TO SUMMIT三重紀北」のオープニングセレモニー「環境シンポジウム」に参加してきました。
紀北町の尾上町長や三重の鈴木知事、モンベルの辰野さんによる開催挨拶に続いて行われたシンポジウム。
トークゲストはネイチャーフォトグラファーの内山りゅうさんです。
私が公私ともにお世話になっている日本淡水魚撮影のエキスパートである内山さん。
今回のテーマは「奇跡の清流 銚子川」。
先日発表した河川生物調査の模様や、5年前からどのように取材を進めてきたか、調査中の苦労話などを写真を交えて面白く1時間にまとめてお話いただきました。
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自分が担当した調査の内容を違う人の視点から聴くというのはなかなか無い経験でしたので、非常に勉強になりました。
あのエピソードはこの角度から話を持っていくとこんなに分かりやすいのか、一番聞いてほしい内容の前にはちょっと間を空けると効果的なのね、などなど普段の仕事に活かせるような技術も学べて有意義な時間を過ごすことができました。
内山さんに会場で呼びかけていただいたアンケートによると、この日集まった参加者の半数以上が河川生物調査の結果をご覧いただいたとのこと。
まさかそこまで反響があるとは思わず、その結果にどよめきも起こりました。 有難いです本当に。。。
シンポジウムが終了してからは、内山りゅうさんの新作写真集「青の川 奇跡の清流・銚子川」のサイン会。
すぐに購入する人の列ができて大盛況。
恐縮ながら作品の最後には私の名前も明記していただいている本なので、自分のことのように嬉しかったです。
川と「思い出」を作れば環境は維持される
ニコニコしながら物販の近くで皆さんの反応を観ていると、内山さんが私を指さし「あの人が生物調査をまとめた人だよ」という案内が。
すると、わざわざ私の所まできて「心から感動した」「川を大切に想うアナタの気持ちが伝わって最後泣いてしまった」「この川を未来永劫残したいと思った」など感想をおっしゃってくれる方もいて、こちらが感動して泣きそうになってしまいました。
映像の中で、言葉で直接私の想いを述べたわけではないのに、「気」は伝わっていくのですね。
今の仕事をしていて一番のプレゼントをいただきました。
中には「自分が住んでいる近くの川では、小さい頃は泳げたけど今は泳ぎたいとも思わない。川は身近にあるものという事をすっかり忘れていた。大切なものを思い出させてもらった。」という感想も。
すごく芯を突いた意見だなと思いました。
テレビから聞こえてくる「川」の情報って、死亡事故や台風時の氾濫などが大半で、どうしても「川は怖いもの」という認識になってしまうんですよね。
怖い、危ないから「近寄ってはいけない」と川から遠ざける。川が日常から切り離された遠い存在になる。
そうなると、汚そうが掘り起こそうが全面コンクリートに張り替えようが全く何にも感じない。
自分とは関係ないから。本当の川を知らないから。
そして、そこに「思い出」がないから。
大切な人たちと川で遊んだ思い出、自分が大好きな人が愛していた川。
そんな思い出があったら、自分も子供たちに同じ経験をさせたいと思うはず。
未來に残したいと思えるかどうか。
そう思えれば、ゴミを捨てて帰る、魚を乱獲する、コンクリートで埋め立てるなどといった環境を壊す発想になるはずがない。
清流が清流でいられるのは、川を心から大切に想う住民やファンの方がいるからこそ。
私もファンの一人として、川を愛し、孫やその先まで素晴らしい思い出を残していきたいと思います。
1年にわたる長期取材で紀北町の皆様には多大なるご支援をいただきました。
私にこれまで見たことのない景色を見せていただく機会を賜り、改めて御礼を申し上げます。
心からありがとうございます。これからも末永く宜しくお願いいたします。
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「思い出」を作るってことから感心を持つ、大切にしていくという気持ちが育つって、ブログを読んで発見させていただきました。「思い出」を作ると「思い入れ」が生まれて…なんて思いついたりしましたが、ちょっとよくあるうまい説明風っぽくてアレですね…。
子どもたちと、自然を共有(行ってみて体験すること、話し合ったりすることも含めて)する時間を大事にしたいと思いました。
SiSOさん
私の文章をわかりやすく補完補完いただきありがとうございます。
まさに伝えたかったのは、SiSOさんがお感じになったその言葉通りのこと。
いくら言葉で「川を大切にしよう」と言っても、なかなか相手の心に響くことはありません。
人の心を動かすのは「心」だけ。
その心を育むのは・・・、、、ってよくある説明風っぽくなってしまいそうになってしまいました(笑)
(思い出を作ると「思い入れ」が生まれるという流れは個人的にものすごく好きですが)
なんせ川を入り口にして自然のことを話し合うきっかけや題材代わりになれば嬉しいですね。
まずは知ること。興味や関心を持つこと。
世の中で蓋をされているもの中にも、忘れてはいけない重要なことがたくさんあると思います。