粘土質を「活かした」畑に!?

先日、島らっきょうが根ぐされを起こしてしまうほどの水はけの悪さに愕然とした私。

一体、土の中がどうなっているのか気になったので、水路として使用している畔の底を掘ってみることにしました。

少しスコップを入れただけでねっとりとくっついてくるほどの粘土質の土壌。

ここまでは想像がつくので、もう少し掘り進めてみます。

40センチほど掘ったところでもうスコップで掘り進めなくなるほど硬い層が出てきたのでここで終了。

土壌の断面を見てみると・・・

思ったよりも根は深い場所まで伸びているんですね!長いもので20センチ以上も伸びている所がありました。

すごくいい感じ。 この調子で雑草や野菜など様々な植物が根を張り、枯れ、空洞となった場所に微生物が住み着くことで徐々にフカフカの土壌が出来上がっていくのだろうなと感じます。

20センチまでは問題ないようですが、根腐れをおこした理由は、さらにそれよりも下にありました。

植物の根のすぐ下にオレンジ色と灰色をした地層が見えているのがわかります。

これがガッチガチに固まった硬盤層といわれる地層です。

ここは表層よりもさらに細かい粒子が凝固しているため空気もなく浸透性が悪いため水も通しません。そのため、硬盤層の上に雨水や雪解け水が溜まってしまい、島らっきょうが根腐れを起こしてしまったのだと考えられます。

粘土質というか、もう完全に粘土。

手でちょっとコネコネしてみると。。。

簡単に陶器が作れてしまうほどなんです。 昔遊んだ「ねり消し」の感触。

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伊賀盆地は「琵琶湖」の跡

私の住んでいる伊賀盆地は、実は400万年間まで琵琶湖があった「古琵琶湖」と呼ばれる場所。

今出てきた地層はかつて琵琶湖の底だった頃の名残なんだそうです。

太古の昔に花崗岩の山が風化し、琵琶湖の底に堆積したものがこの「重粘土質」という地層です。

ミネラルを豊富に含んだ土は焼き物用の陶土としては全国有数の上物。伊賀焼などの名物を生み出しています。

軽くて硬い、きめ細かいので焼いても割れにくい。

 

もうね、、、私気づいちゃいました。

 

こんな歴史ある土壌を人の力で何とかしようと思ったこと自体がおこがましい!

 

こんなモノが膨大に地下に眠っていたら、そりゃ水も溜まりますわな。

でも、水を好まないものもいれば水をよく好むものもいる。ここで育たない野菜を作ろうとするから無理が生じてしまうし、シンドイ

1反の畑のうち、根腐れをおこしてどうにもならないと思う畝は5分の1くらい。

だったら無理にその場所に植える必要はなく、むしろこの重粘土層を活かして、ここで育ちやすい作物を選んであげればいいだけの話じゃないか。

粘土質とうまく付き合って水持ちを好む野菜を植えてあげれば、むしろ栽培できる種類も増えるのではないかと思い始めました。あらがうのはではなく、活かす方法を考える方が楽しいですしね。

そうすることで畑の中に別のニッチを形成することができ、新たな生息場所が生まれることで多様な生物を集めやすくなるのではないか。先週末に行った名古屋市科学館で開かれている特別展「恐竜の卵」を観て思いつきました。

畑だけじゃなく、いろんな視点を持つことでヒントを得ることができるんですね。

ちなみに、1畝は高畝にして水気を嫌う作物が成長するか試してみるつもりです!

思考を変えればピンチがチャンスに!? さて、うまく行くかどうか!!

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粘土質を「活かした」畑に!?” に対して2件のコメントがあります。

  1. はじめましてメドウおじさんといいます、いつも楽しく拝見させていただいています、粘土質の畑で協生農法大変ですね・実は私も昨年の夏野菜から0.5アールの家庭菜園で協生農法をやってます・元々母が20年以上化成肥料で野菜を作っていたので土に生気がない場所です・一年目の昨年はニラと豆類しかうまくいきませんでした・元々時間が取れない生活なので協生農法は魅力的で何とかものにしたいと思っています・麦わらどんぐりさんの畑の土ですが少し陶芸をかじっている私にはとても魅力的な陶土として使えそうである意味うらやましいです・近くならおじゃまして一かけら頂きたいくらいです・伊賀や信楽の黄瀬土に似た雰囲気がありますね・今からどんな風に畑が変化していくのか楽しみでしょうね・じつは私もつたないブログを書いているのでよろしければ少しご覧ください・「東谷メドウ便り」で検索していただければヒットします・

    1. はじめまして、コメント誠にありがとうございます。
      ブログを通じて、メドウおじさんさんのように協生農法を行う仲間の情報がお聞きできること本当に嬉しく思います。

      確かに、私の畑の土は陶芸が趣味の方には最適だと聞いております。
      黄瀬土かどうかは素人のため判断できないのですが、伊賀焼の里が近くにあるので、きっといい土なのだと思います
      亡くなった祖父は土をいくらかで売っていたという話を聞いたこともありましたので。。。
      もし畑にいらっしゃる、もしくは協生農法講習会などでご一緒する機会がありましらお分けいたしますよ。

      また「東谷、メドウ便り」もじっくりと拝見させていただきますね。
      これからも何卒宜しくお願いいたします。

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