千年の歴史を誇る「有久寺」の秘儀
魚の町という印象が強い紀北町の紀伊長島。
今回目的としている有久寺(ありくじ)があるのは海側ではなく山側。
しかも、カーナビにも表示されないほど山の奥深くにひっそりとたたずんでいます。
こちらが御本堂。
一見すると、村の小さなお寺のようにしか見えませんが1000年以上の歴史を誇る真言密教の古刹なんですよ。
1月12日に初祈祷の「鳴龍護摩(なりごま)」が行われるということで初めて参加してきました。
熱湯を沸かした窯の上に置いた筒。
こちらに湯気が立ってくると薬師如来様が宿ったという合図なのだそう。
筒の中に生米を入れ「音が鳴り出すと今年は幸運」「音が鳴らないと今年はあまりよくない」。
その吉凶を薬師如来様にお聞きするという儀式です。
生米を入れてしばらくすると・・・
うぉをををををををををん
ぬぉをををををををををん
と、筒の中から地を這うような低い反響音が響いてきます。
しかも、それに呼応するかのように祭壇のロウソクの炎がボウ!ボウ!!っと生きているかのように強く燃え始めたではありませんか。
私の理解を大きく超えるあまりにスピリチュアルな出来事にあっけにとられてしまいました。
筒を火から降ろした後も音は鳴りやまず、10分以上も不思議な音色は響いていました。
ご住職いわく、こんなに長く鳴り続いたのはごくごく稀な現象とのこと。
元号も変わることもあり、今年はそれはよい一年になるのではと仰っていました。
なかなかお目にかかれない秘儀を間近で体感することができ、非常に有難い気持ちでいっぱいです。
また、有久寺の境内では古くから霊泉が湧きだしており、日曜の午後限定で入らせていただくことができます。
硫黄の香りが強い岩風呂。秘湯中の秘湯という趣きでこちらもオススメです。