春の大潮の「干満差」を利用する生物
満潮と干潮の差が大きく開く「大潮」。特に春の大潮は一年で最も満ち引きの差が大きいとされています。
大潮の干潮はこの通り。一面に干潟が広がります。
干潟ではチゴガニやケフサイソガニ、カワスナガニなどいろんなカニの姿を観察することができました。
特にカワスナガニは国の純絶滅危惧種にも指定されているほど希少となってしまったカニ。
河口近くの干潟や岩礁に住むため、埋め立てや全面護岸工事をされてしまうと住処がなくなり、とたんに姿を消してしまいます。
こうしたカニがいるということ自体が、まだ本来の環境が残っているという生きた指標でもあるんですね。
干潮の河口域、だんだん潮が満ちて満潮に近づいてくると・・・
はい、一気に大河へと大変身!!!!
春の大潮の干満差は1m以上もあるんです。
この海水が満ちてくる時の力を利用する生き物たちもいます。
アユやボウズハゼ、ビリンゴなどの子供達です。
秋に川で生まれた子供たちは冬の間は暖かい海で育ち、海と淡水の差が小さくなった春に一気に川へと戻ってきます。
また遊泳力のない子供たちは一年で最も満ち引きが大きい春の大潮の力を利用して海から川へと入ってきます。
母なる海から行ってらっしゃいと後押しをしてもらって、川に旅立っていくんですね。
海での生活が長かった子供達は、淡水と海水が入り混じる汽水域でしばらく体を慣らしてから、いよいよ川での生活が始まります。
今年もピカピカの1年生の初登校を見守ることができてよかったです。
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