畑にもぐりこむモグラは「害獣」?
冬の協生農法の畑に、お客さんがやってきました。
やってきましたというか、姿は見えませんがどこかにいます。
だってホラ。
こんもりとした土の山が、畑の周りにこんなにたくさん。
よく見ると空洞が空いているものもあります。
まぁ、間違い無くモグラでしょうね。
こんもりした山は、モグラが地中にトンネルを掘る際に土を排出させた跡。
モグラ塚と呼ばれているそうです。
ちなみにモグラを漢字で書くと「土竜」になりますが、これはモグラ塚の穴を見て
土の中に竜がいるそうだということから、この字があてがわれたそうです。
<スポンサーリンク>
あと、日光に当たると死ぬというのは迷信。普通に地上にも顔を出したりします。
土が硬いドングリ農園の回りでも、何故かモグラが掘った土はさらっさらのふわふわ。
軟らかい所を選んで掘っているんですかね?
モグラが土を掘る行為でこんなにふわふわになるんだったら、できれば全体的にやって欲しいんですが。。。
虫や鳥や雑草など様々な命によって野菜を育もうという協生農法。
1年目にして、小動物が住み着くようになったのは嬉しいですね。
普通の慣行農法では、モグラ塚を見つけたら
「根が傷ついて作物がダメになる!」とか「デコボコして見栄えが悪い」とか言って
モグラを敵として躍起になって駆除しようとしますが、私は逆。
(ちなみにモグラは肉食なので野菜は食べません。モグラにかじられたというのは、実際にはモグラではなく、その穴に張り込んだネズミがかじっているのです)
モグラが住めるということは、そこにエサとなるミミズや幼虫など小さいな生き物たちも住んでいるということ。
小さな生き物たちがいるということはエサである有機物があるということ。
肥料を与えていない畑なのに有機物があるということは、微生物による枯葉の分解がうまく進んでいる証拠でもあります。
つまり、モグラがいるということは畑に自然の生態系(生物多様性)が少しづつ作られているという何よりの証。
だからこそ、嬉しい!野山化した畑への第一歩です!
モグラは「害獣」?
四方を山に囲まれた田舎の畑、モグラ一匹でワーキャー騒ぎ立てる必要はありません。
ネズミ同様、野生のほ乳類の中で人間生活に身近なものの一つがモグラですし。
小さなモグラも一生懸命生きてるんですから、ちょっとくらいエサ場を提供してもいいんと思うのですが。
はるか昔、地上での生存競争に負け、地下の世界へと住み処を変えたモグラ。
足は土を掘れるようシャベルのように進化し、目は光を感じられるほどに退化させましたが、その代わり嗅覚を強化。
もうこれから先、進化の過程でよほどのことがない限りモグラが地上の世界に戻ることはないでしょう。地中だけがモグラの暮らす住み処です。
そんな地中でさえも、畑であればモグラが暮らすことは許されない。畑のモグラは不法侵入者である。
・・・そんな訳がないでしょう!!
世界には人間だけしか暮らしてはいけないんですか? それ以外は全て駆除するのですか?
どんだけ自分勝手で心が狭いんだよ。
地球は全ての生き物が暮らす母なる大地。大地を愛し生物を愛す、生きることに感謝する。宗教でもなんでもなく、それが本質。
・・・と、ここまで言っておきながら、
畦に穴を開けられ、田植えシーズンに畑が水浸しになるようならちょっと考えますが。。。
それまではどうぞモグラよ、ゆっくり休んでいってくださいな。