100年で森は蘇る「生命の杜 明治神宮」
東京生活をはじめて、早2週間。
巨大コンクリートジャングルの中、ちょっと自然が恋しくなってきたので「明治神宮」へ行ってきました。
明治神宮の最大の魅力は、70万平方メートル(東京ドーム15個分)に及ぶ広大な森。
一見、太古の昔から続く原生林のようにも思えるの森。森を切り開いて明治神宮を建てたのかなと思う方も多いのではないでしょうか。
しかし実際には、今から100年前の大正9年(1920年)に明治神宮が創建されるにあたり全国から献木されたおよそ10万本の樹を植栽した、人の手によって造られた人工林なんです。
高木、低木、下草、それぞれが絶妙に組み合わさっていて非常に美しい。もはや芸術作品といっても良いほど。
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荒地を「鎮守の杜」へ
現在明治神宮となっている一帯は、かつて畑がほとんどで荒地のような状態になっていたという場所。
そんな場所で「永遠の森」とテーマに、何を植えたら育つのか、どう植えて行けば森になるのか、学者たちが知恵を出し合い椎や樫など照葉樹を中心に植えて行くことに決定したそうです。
その際、時の内閣総理大臣であった大隈重信は「伊勢神宮や日光東照宮のような杉や檜を植えるべきだ!」と激しく批判したそうですが、学者たちは「杉や檜は谷間の水気の多い土地には向くが、保水力が乏しい関東ローム層の代々木には不向き」と反対し、公害などでも枯れない照葉樹を選んだといいます。
もし、この時説得できていなかったとしたら、みすぼらしいヒョロヒョロの杉が立ち並ぶ森になっていたでしょうね。。。
現在では絶滅危惧種や貴重な生物たちが集まる生命の杜となっている明治神宮。
気が気を呼び、生命が生命を育むといった「協生理論」とも密接した人工的なパワースポットともいえますよね。
私は信仰的な理由ではなく、この森に心を癒されに明治神宮によくお邪魔させてもらっています。
御神木である夫婦楠も大正9年の創建と合わせて植樹されたもの。
たった100年、されど100年。時の短さと長さを感じる不思議な空間でもありました。
自然に逆らわず、その土地や気候に合わせた樹木を選ぶことがいかに大事か、改めて考えさせていただく機会となりました。
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