【まるで天使と悪魔】幸せの使者「クローバー(シロツメクサ)」の裏の顔
先日、参加させていただいたゴーリキマリンビレッジで開かれた「協生農法講習会」。
その中で、畑の植生について大塚隆さん(むーさん)からある衝撃的な内容を聞いたので、今日はそのお話です。
全ての植物が野菜の味方になってくれるわけではなく、中には発芽を阻止してしまうという種類もあります。不耕起栽培でも、そういった植物は駆除する必要があるみたいですね。
まさか、心強い仲間だと思っていたアイツが敵だったとは。。。
そう、見つけると幸せになれると言われるアイツです。
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味方のフリをして近づいてくる「幸せ運び人」
「え?畑に栄養が足りない?では、喜んで私が畑の肥料になりましょう!! さぁ私を増やして。」
そんな味方のフリをして畑で悠々と暮らしているアイツ。
そう、四つ葉のクローバーでおなじみ、幸せを運ぶ使者ことシロツメクサです!!
根元を残して上部を刈ったら刈っただけ直ぐにマルチになって畑を覆ってくれますし、マメ科の植物特有の根粒菌によって空気中の窒素を土壌に取り入れてくれる。
まさに日よけと緑肥に最高の植物だと思っていたシロツメクサ。
大塚さん曰く、シロツメクサが畑で密生していると絶対に他の野菜は大きくなれないのだそう。
どうしてシロツメクサがあると成長できない?
シロツメクサの特徴は「土壌の浅い場所に根を密生させる」ということ。
つまり、土の中に細かい網を張り巡らせているわけですね。
さらに、表土から出た葉っぱの部分も一面を覆い尽くして、密生しています。
「すぐにマルチになって表土を覆ってくれるのなら、味方じゃないの?」そう思われる方もいると思います。私も数日前までそうでした。
しかし、「根が浅い場所に網のようになる」「すぐにマルチになって表土を覆う」というシロツメクサの特性、その真意を探れば恐ろしいことがわかってきたのです。
これ、つまりシロツメクサ同士ががっちりと手を組むことで、野菜の種など他の植物を排除しているんです。
- シロツメクサの葉っぱは傘代わりとなり、他の種が土までたどり着かないようガード。
- もし種が土まで辿りついても、浅いところにシロツメクサの根の網があるので、そこを突破して根を張るのは至難の技。
- なんとか根を張れたとしても、今度は葉っぱの傘が日光を遮るため、うまく光合成をさせてもらえない。
- 枯れた植物はシロツメクサの栄養となる。。。
シロツメクサだけが生き残れる完全なシステム!!なんて鉄壁な守りなんだ!!
シロツメクサのジャングルの中では、なかなか大きく育つことはできないと言っていた理由はこの完璧なシステムにあります。
種まきの時にシロツメクサをある程度駆除しておかないと、発芽しにくく成長を阻害されてしまうということですね。
うーん、おそるべしシロツメクサ。。。 シロツメクサは多年草。野菜の多くは一年草なので植物遷移の視点から考えても、そのエネルギーに圧倒されてしまうそうです。
ちなみに不耕起栽培ではなく、慣行の耕起栽培で行う場合は、土に窒素を固定してくれたり、葉っぱは緑肥になったりと、非常に心強い味方になってくれるそうですよ!
やり方一つで敵にも味方にもなるシロツメクサ。やっぱり憎めない存在だな。邪魔にならない程度に残して置こうかな。(この甘さが後に不幸をもたらすことになるとは・・・とならないよう祈る)
まとめ
ちなみにシロツメクサの花言葉は「幸せ」や「約束」。流石は幸福の象徴!なんかすごくファンシー。
しかし、他にも意味があることをご存知でしたか?
その花言葉というのが「復讐」。
怖あぁぁぁ~!!!!
タイピングすることすら恐ろしいこんな花言葉を、あんな可愛らしい植物が持っているなんて。。。
葉を刈りとれば刈り取っただけ増殖するというあの仕組みは、シロツメクサなりの復讐だったのかもしれませんね。。。
しかも四つ葉のクローバーになると、さらに「私のものになって」という花言葉までついてしまいます。
他のタネの発芽を阻害し、成長に使うエネルギーを取り込んでしまうというシロツメクサの特性を見事に表した花言葉。。。
幸せの顔の裏にこんな裏の顔が隠されていたとは驚きでした。
どの植物かどのように生きて、どんな特性を持っているのか、それぞれの植物のことをもっと勉強していかないとなと考えさせられました。
手を加えないことがいいのではなく、生態系を壊さない程度に手を貸すことも大切。それを教えておらったような気がしました。