大ばあちゃんの柿のタネ
家の庭に生えている大きな柿の木。
何十と美味しい実を成らしてくれるありがたい木です。毎年一家で40個以上は食べています。
残すところあとわずか。今年は例年に増して多く、あたり年だったような気がします。
この柿の木には本当にいつも感謝しています。
鳥も虫も柿が大好き!自分たちで食べきれないくらい実るので、父や祖母もこの木にくる生き物だけは追い払ったりしません。
<スポンサーリンク>
大ばあちゃんの思い出の柿の木
この柿を植えたのは、一緒に暮らしていた私の祖母の姉。大ばあちゃんと呼んでいました。
うちの両親は共働きで、夜遅くまで家に帰ってこなかったので、私の教育を担当したのは、もっぱら大ばぁちゃん。
ヤンチャな私に厳しくも優しく、人の道を説いてくれた、モラルの基礎作りをしっかりしてくれた、今でいう「人生のメンター」のような存在でした。
大ばあちゃんがいなかったら、今の私はいなかったでしょうね。
6年前、私が結婚したことを見届け、その直後に亡くなった大ばあちゃん。
私への最期の言葉は「お元気で」。自分が苦しいのに関わらず最期の最期まで私のことを気にかけてくれた優しいおばあちゃんでした。
そんな大ばあちゃんの大好物が「柿」。昔からこのシーズンになると嬉しそうに収穫していたのを鮮明に覚えています。
その姿を見ていたからこそ、私も柿が好物になったのかもしれません。
柿の木を見るたび、柿を食べるたび、大ばあちゃんのことを思い出します。
スーパーで買ってきた柿は食べない娘も、自分の家の柿はそりゃもうムシャムシャ食べます!
大ばあちゃんが植えてくれた恵みはしっかりと子孫に受け継がれていますよ。
柿のタネをまくということ
今年から協生農法を始めたということもあり、食べた柿のタネは畑にまくことに。
かれこれ100粒近くは蒔いたのではないでしょうか。。。
しかしながら、この中から発芽して、柿の実がなるのはきっと1本あるかないかでしょう。
しかも、美味しい柿のタネを蒔いたからといって、育って実った柿が同じ味になる訳とは限りません。ほとんどが、全く性質の異なる柿になるそうです。
同じ味の柿をならしたければ、接木をして育てる必要があるそうですが、私は手を加えず、どんな柿になろうともそれを見守ろうと思います。
もし、渋柿になったとしても、それはその柿の「個性」。クローンではなく子供ですから。
渋柿なら、それを軒先に吊るして「干し柿」を作ればいいだけの話ですし。
干し柿も大好物なんでウェルカムです。
8年後、柿が実ったら、娘に大ばあちゃんの話をしよう。私を育ててくれた優しい大ばあちゃんの話を。
話のタネ蒔き。思い出のタネ蒔き。
このタネを蒔いている時、心がホッとするのは、タネの中に幼い日の楽しかった記憶が詰まっているからなのかもしれませんね。
いつもありがとう。