花粉症は人災?それとも杉の怒り?
昨日、スギ花粉症対策について書きましたが、そもそも何故こんなに杉の花粉が多いのかということについて考えていきたいと思います。
現在、日本の国土の約12%、約448万ヘクタールを杉などの人工林が占めているといわれています。
かつて第二次世界大戦後の復旧に使用する木材確保のため農林水産省が推し進めた大規模杉植樹計画。
この際、日本中に数多くの杉が植えられ人工林が爆発的に増えていきました。
杉は日本固有種の常緑針葉樹。 学名のクリプトメリア・ジャポニカには「隠された日本の財産」という意味があります。
建築資材や家具、彫刻と日本の文化や生活に深く溶け込んできた「杉」。それを戦後に植えることで、もう一度日本を建てて直そうと願ったの納得できる話だと思います。
しかし人工林を作る際に、自然の雑木林を伐採して利用価値の高いと思われた杉やヒノキばかりを植えたのは、今となっては仇となっています。
単一の植物だけを密集させて育ててしまった結果、自然界のバランスが崩れて様々な問題が起きてしまいました。杉もいい迷惑ですよね。
また、杉の人工林であっても定期的に間伐がされていれば、それほど膨大に花粉が飛散することもなく安定していたはずです。
上記のように本来、大切にされる存在であった杉。その価値観がゴロっと変わってしまう出来事がありました。
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それが1964年に行われた「木材輸入の貿易自由化」。安い海外物の木材が輸入されるようになると国内産の木材の価値は大暴落。 高い杉よりも安いラワン材などが大量に輸入され、9割あった木材自給率は2割以下へと減少することとなります。
国内の杉やヒノキが売れないと林業は成り立たなくなる。担い手がいなくなると間伐も行われなくなり、杉林はうっそうと生い茂り、密集しすぎた杉からは毎年大量の花粉が飛散するという状態に。
間伐をしないまま育ったヒョロヒョロの杉が単一に密集しているだけでは、根も浅く、雨水などを地下へと溜め込む能力は非常に低いといわれています。もちろん日が当たらないため下草も生えにくい状態に。
花粉症は杉の逆襲?
間伐がきちんとなされ、花粉飛散量が一定であればここまで花粉症は広まらなかったはず。
1963年に最初のスギ花粉症患者が発見されてから、わずか40年間で急激に増え、今ではおよそ2500万人、日本人の5人に1人が患っている国民症といわれるまでに。
そのため、かつて日本の財産と名前が付くほど称された杉は、いまや日本中で猛威を振るう「絶対悪」「敵」として疎まれる存在に変わってしまっています。
果たして悪いのは花粉を飛ばす「杉」なのでしょうか?
密集して過密に植えられ、役割も奪われ、日も当てられずに放置されたあげく、人々に恨まれる。
土砂崩れが起きても人工林のせいだと責められる。
私には杉が泣いているように見えます。
この時期、日本中に飛散する大量の花粉は杉から人類に向けられた怒りや悲しみの念が形になってあらわれたものではないかとも思うのです。いわばマイナスエネルギーの集合体。
それでなければ、いくら花粉が多いとはいえ、ここまでの猛威を振るうとは考えづらいですよね。(花粉症にかかりやすいよう虚弱化した、排気ガスなどによる合併症説など原因は多々あるとして。)
何故、花粉症になるのか。原因は杉にあるのか人為的に引き起こされたものなのか「悪」とは一体なんなのか。
こんな酷い仕打ちを受けたら、私だったら花粉を飛ばすくらいでは怒りは収まらないだろうな。。。
追記
木材輸入の貿易自由化によって国産材の需要が激減し、今の現状が生まれたわけですが。。。
主要農産物種子法廃止により、同じようなこと、もしくはそれ以上に最悪な結果を引き起こさないことを祈るばかりです。
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実はここ数年、花粉症の症状が軽くなってきています。杉も軽くなってきていますが、イネの方ははほぼ感じなくなるぐらいになっています。そういえば的な話ですが、夜の炭水化物ダイエットと称してお米を食べる量を減らしているのですが、合わせて花粉症の症状が減ってきたような…。
これはおイネ様の怒りかも…。軽い話でサラっと流していただいて結構です、はい。
前回の「野生」の話も興味深いです。これから試してみたいと思います。
SiSOさん こんにちは!
花粉症の話とは少しズレてしまいますが、私も米を食べるとすぐに眠くなって集中力が途切れてしまいます。
どうやらそれは、米を消化することに体力を使ってしまうからだそうです。
もしかするとSiSOさんが米を減らして花粉症が緩和してきたというのは
消化に使う予定だった体力を自己治癒力や自己防衛機能に充てることができたため?なんじゃないかとも思います。
これも勝手な妄想なんですけどね・・・。