癒やしを求める「清流 銚子川」
海あり、山あり、というアウドドア好きには堪らない名前の三重県紀北町の「海山地区」。
古里温泉から車で30分ほど尾鷲方面に走った場所にある海山には「銚子川」いう全国でも有数の透明度を誇る素晴らしい川があります。
近年、テレビなどメディアで取り上げられることもあり、少しずつ知名度が上がってきたかなと思っていたのですが。。。
お盆にもなると、この混雑具合。
ここは海水浴場か!?と錯覚するほどのテントやビーチパラソルの数、数、数。
足の踏み場がないという驚愕の混雑ぶり!
いつもは比較的ガランとしている種蒔き権兵衛の里前の駐車場も常に満車。道路脇などちょっとしたスペースがある所には全て車が停まっているという恐ろしい状態でした。
車のナンバーを見てみると、県内よりも大阪や名古屋、関東など他県からはるばる川遊びに来てくれている方々が多かったですね。
これはもう知名度が上がってきたどころの騒ぎじゃない、川好きなら誰でも知ってるくらいの存在に変わってきたのでしょうか。
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夏は1年で最も水にふれあう機会の多い季節。
銚子川最大の持ち味はこの圧倒的な透明度。
これを見たら、誰だって思わず飛び込みたくなりますよね。水中でも20m離れた向こう岸まで見通せるほどの透視度を誇ります。
深い「淵」や、流れの速い「瀬」など川には様々な表情があり、小さな子どもから大人まで自分に見合った環境で遊ぶことができます。
天然の滑り台がある「魚跳渓」なんかは、車がすれ違えないほどの大人気!
ライフジャケットを着けた観光客でごった返してましたね。
自然は最大の癒やし
川のせせらぎ、鳥のさえずり、水の冷たさ、太陽のきらめき、五感全てで体感する極上の癒やしの一時。
都会の雑踏の中で暮らす日常から心身を解き放ちたいという願いもあるのでしょうか。
それとも動物が持つ自然回帰の本能のようなものなのでしょうか。
皆さん活き活きとした表情で川を満喫しているようで、見ていてこちらも嬉しくなりました。
日本中、世界中が不安定なこの時代。そこに暮らす人間の心も不安定になってしまうのは世の常。
ちょっと事が起きると、なんでもかんでもすぐに謝罪を求める、そこに心がなく形だけの謝罪でもいいから、とにかく「定」が欲しいという、社会の歪んだ異様さも不安定な世の中が作り出す現象なのではないかと思っています。
みんな不安だから、安定したものを見ると安心する。
太古の昔から清らかな流れを留める「川」。
自分達が生まれる遙か前から、循環しながらとうとうと流れつづける川に安定を求めるのも、また世の常なのでしょうか。
汚れを知らない透明度の中に身を置くと、精神を禊がれるような気持ちになるのも頷けます。
近年のアウトドアブームの背景には、こうした社会の背景もあるのではないのかな。
遠方から何時間かけても訪れたいと思う、銚子川ような自然環境が県内に残っているのは、やっぱり自慢です。
銚子川から環境問題を考える
他にも、開けた河川敷ではバーベキューをしている人もたくさん。そのままキャンプで泊まっていく人も多いようです。
周辺に民家の少ない銚子川では星空も非常にキレイに見る事ができますしね。
そんな夏の夜の定番といえば「花火」。
河川敷で行っている集団をよく見かけますが、
お願いですから花火のゴミは、捨てずに持ち帰ってください。
そして、川にロケット花火を打ち込まないで。
この時期、川の底には打ち込まれた花火の残骸がかなり堆積しています。
●キレイな川を求めるためにやってきたのに、何故そこを汚すんですか?
●自分達が楽しければ、後から来る人々のことは無視してもいいのですか?
●川の中にたくさんの生き物がすんでいるのに、そこにロケットを打ち込んで影響がないと本当に思っているのですか?
上記の3つの問いは全部、現在抱えている環境問題に置き換えることができます。
大なり小なり、全て自分勝手、自分本位な精神が招いた結果です。
「奇跡の川」と呼ばれることもある銚子川の透明度。
しかし本来、銚子川と同じくらいの規模の河川であれば、
日本中のどこの河川でもこのような環境だったはず。
工業廃水、農薬や過剰肥料による土壌や地下水汚染、河川改修、三面護岸、干潟の埋め立て、
「なんでもない自然」を改ざんし「奇跡」にしてしまったのは他でもない人間自身です。
地球に暮らす生命としての人間。
アウトドアブームは地球環境を考える良い好機。
「川や地球は全て人間のもの」「人間は他の生き物とは違う特別な存在」という自分本位な考えを見直し、
「自然の中に人間はお邪魔している」「人間も動物も植物も、命ある物全てと協生すべき」
という謙虚な気持ちで生活できれば、長いスパンで考えれば環境は好転していく可能性があります。
間に合わないかもしれませんが、気づかないふりをしても、それは現実逃避。今と向き合って、本気で未来を考えていく必要が急務!
別に難しいことはありません、迷った時、それが地球に優しいかどうか、人間の身勝手かどうか、ちょっと頭によぎらすだけでも随分と違うのではないかと期待しています。
一緒に少しづつ未来を変えていきませんか?