土用の丑の日 幻のウナギ「アオウナギ」

今日は「土用の丑の日」。夏バテ防止にウナギを食べた人も多いのではないでしょうか。

ちなみに皆さん、ウナギって海か川かどちらに住んでいる生き物か知っていますか?そりゃ川でしょ!と即答する人が大半なのではないでしょうか。

でも実はウナギの中には川に住むものだけではなく、海や汽水域を好んで住む「アオウナギ」というウナギもいるんです。

幻のウナギとも呼ばれるアオウナギ、川で育ったものよりも脂がのってメチャメチャ美味しいそうです。今日は、日本人が大好きなウナギに関するお話です。

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土用の丑の日に何故「ウナギ」?

今年(2017年)、夏の土用の丑の日は7月25日(火)と8月6日(日)の2日。

一般的に立秋の前の18日間の内の丑の日を指します。

では、何故この夏の土用の丑の日にウナギを食べるようになったのか、諸説ありますが1番有力なのは江戸時代の蘭学者「平賀源内」が考えついたという説です。

暑い夏の時期、ウナギ屋が売れないで困っていることを、平賀源内に相談したところ「店の外に【丑の日はウナギの日】と書いて張り出せ」と助言。すると、うなぎ屋は大繁盛になったという逸話が残っています。

当時は「丑の日には、梅干しやうどんなど【う】の付く食べ物を食べると精がついて夏バテしない」 という迷信があったそうで、それを利用した見事な発想力です。

そもそもウナギは滋養強壮にはもってこい、栄養たっぷりで夏バテ防止に最適の食材。

「効果があった」「元気が出た」という噂が江戸から日本中に広がり、それ以降、土用の丑の日にはウナギを食べるという風習が定着したとされています。

さすがは東洋のレオナルド・ダヴィンチとも称される平賀源内、ウナギの効能を知っていたのかどうかは定かではありませんが、あっぱれとしか言いようがありません。。。

絶滅危惧種「ニホンウナギ」

そんな昔から日本に溶け込んだ食文化であるウナギですが、2014年にニホンウナギは国際自然保護連合(IUCN)から絶滅危惧種(EN)の指定を受けました。世界全体で見ても、このままの状態が続けばニホンウナギはいなくなってしまうと判断されたわけです。

ウナギが少なくなってしまった理由としては、養殖に使うシラスウナギという稚魚(ウナギの子ども)の減少や産卵のために川を降る親ウナギの乱獲が主な原因だとされています。ウナギが増えるよりも速いスピードで人間がウナギを捕りすぎてしまったということですね。

さらに、ウナギが育つための川の環境が失われていることも原因のひとつ。ウナギは岩の隙間や木の根の間など身を隠しやすい場所を好み、隙間からひょっこりと顔を出して暮らしています。しかし近年、河川がコンクリート護岸されることが増え、隠れ場所や住み処が少なくなったため、ウナギが一気に川からいなくなってしまったそうです。

子どもを産む前に獲って、なんとか生き延びた子どもも獲る、そこをくぐり抜けたウナギの住む場所も奪っているわけですから減っていくのは当然。美味しいウナギを今後も食べて行くためには、ウナギと共存していくにはどうすればいいのかを考えていくことが重要ということですね。

 

幻のウナギ「アオウナギ」

ニホンウナギは、日本から2500キロ以上離れたマリアナ諸島沖で孵化したあと、黒潮の流れに乗って、日本の沿岸や河口に辿り着きます。そして近くの川を遡上し、そこで長いものでは15年ほど過ごし、体が成熟していくと再び川から海へと降り、マリアナ諸島沖に産卵に行くという一生を送るとされています。

一方、アオウナギは、海で孵化した後、川を上らず、一生を沿岸や海水と淡水が混じる汽水域で暮らすという珍しいウナギ。育つ環境が違うだけで普通のニホンウナギと一緒の種類です。

 

アオとは緑色のこと。川で過ごすものは全身が黄色っぽくなることが多いので「黄ウナギ」と呼ばれるのに対し、海や汽水域で過ごすウナギは体が緑っぽくなることが多いので「アオウナギ」と呼ばれているんです。

アオウナギの餌はアナジャコなどの甲殻類、栄養豊富な海の生物を食べているため、黄ウナギよりも脂がのって美味しいのだそうです。水揚げ量が少なく幻のウナギとも呼ばれ、大きいものだと1本2万円で取引されることもあるそうですよ!

ちなみに、かつて江戸前のウナギとして出回っていたのは、ほとんどがアオウナギ。脂が多すぎるため、一度蒸して脂を落としてから焼くという関東風のウナギの食べ方が生まれたそうです。理由を聞いて納得しました。

ニホンウナギが、いつのタイミングで、どのようなの影響を受け「アオ」になるのか、その理由はまだ解明されておらず、多くの謎が残っているようです。謎に満ちた生態も気になりますが、幻の天然ウナギを一度でいいから食べてみたいなぁ。

 

アオウナギに会いに行こう

そんなアオウナギに会いに行ける水族館兼喫茶店が大阪府堺市にあります。

その名も「うなぎミュージアム&Cafe雑魚寝館」。

館長の亀井哲夫さんは無類のウナギ好きで、屋外の展示スペースにニューギニアウナギやオオウナギなど世界中のウナギ19種類のうち、11種類を飼育しています。

南海浅香山駅を降りて徒歩1分。住宅街にひっそりと建つ雑魚寝館は金曜日の午後3~10時だけオープンしているという知る人ぞ知るウナギの聖地です。せっかくなので味わうだけではなく観察もしてみたいというウナギマニアが全国から訪れるそうで、私が訪れたときも愛知や奈良などからきたお客さん10人くらいで賑わっていました。

「若い頃はウナギに全然興味なかった」という亀井館長。36歳の時、ボウフラ対策に金魚とメダカを飼うようになったのがきっかけで、そこから淡水魚を研究するようになり、次第にまだまだ謎だらけのウナギの世界に魅了され、今に至るのだといいます。とにかく面白いおじさんで、ウナギへの愛があふれまくっています。

その愛がウナギにも伝わるのか、本来警戒心の強いはずのウナギが、まるでペットの犬やネコのように亀井さんに懐いて餌をもらっていました。

餌には生きた金魚を使います。

こちらが幻のウナギ「アオウナギ」です。写真からではわかりにくいですが緑色の体色をしています。さらに長細い巣穴に住むアナジャコを捕食しやすいよう普通ウナギよりも頭が小さく長細い形になっています。

幻のウナギが餌を捕食する瞬間を捉えた極めて貴重な映像です!!

これにはビックリ。すごいです。幻のアオウナギの餌やりなんてレア中のレアなんじゃないでしょうか。

他にも、喫茶店ではウナギを使った「特製うなぎカレー」や「鰻チャーハン」を食べることができるほか、「半助」と呼ばれるウナギの頭部分のつくだ煮の販売も行っています。知って楽しい、食べて美味しいウナギcafe。興味を持った方は、一度訪れてみてはいかがでしょうか。ディープなウナギの世界はなかなか面白いですよ。         

 

やっぱりウナギが好き

昔から大切な栄養源として食されてきたウナギ。それが今、絶滅の危機に瀕しているのは悲しい現実。

ウナギって2500km先まで泳いで産卵するんだとか、隙間がないと生きられないんだとか、アオウナギっていう珍しい生態のものもいるんだとか、食材としてだけではなく生物としてのウナギにも興味を持ってもらえると、またウナギの見方が変わって、資源保護やウナギが暮らす川や海の環境を守ることにも繋がっていくのではないかなと期待しています。

 

店名 うなぎミュージアム&Cafe 雑魚寝館
住所 大阪府堺市堺区香ケ丘町1-10-8
電話 072-233-8831
営業時間 毎週金曜15~22時のみ営業。入場無料。 
   

 

 

 

 

 

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