清流・銚子川の「きほく七夕物語」

先週7月1日(土)に三重県紀北町の銚子川で行われた「きほく七夕物語2017」に参加してきました。

年に1度だけ銚子川が天の川に変わるというなんともロマンティックなこのイベント。当日の雨が心配されましたが、奇跡的に夕方頃から晴れ間も見えはじめ、無事たくさんの想いが込められた2017個の願い星が夜の川を彩りました。

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圧倒的な透明度が魅力「銚子川」

夏には全国から川遊びに訪れる「銚子川」。紀伊半島の南東部の三重県紀北町を流れる全長17キロの小さな川です。

しかし、ただの小さい川ではありません。その魅力は、なんといってもこの抜群の透明度です!!

ここは銚子川上流の「学問淵」。河床の石までくっきりと見えるため、パッと見浅く見えますが、人が入るとこの通り。実は2〜3mくらいと結構深いんです。

透き通った川は、まるで天然の水族館。ハゼやアユにアマゴなど場所ごとに様々な魚が泳ぐ姿を間近で観察できます。

アユカケやニホンウナギといった絶滅危惧種も多く見ることができるんです。こうした生物は、人為的な河川の改修や汚染が進む環境では生きてはいけないため、その川が昔から変わらない本来の姿を留めているという証拠にもなります。

こちらは海のすぐそばの「河口域」。日本の河川は2万5千本あると言われていますが、銚子川のように源流から河口に至るまで全てが透明という川は極めて珍しいそうです。

特に河口は普通の河川では汚れが溜まりやすいので濁ってほとんど見えないことが多いのですが、この川では10m先まで見通すことができます。

そのため海と川が出会うその瞬間や、他の川では見る事のできない貴重な生き物やその生態を映し出すことができるのですが…詳しくはまた今度!!(語り始めると本3冊分くらいになってしまいます。。。)

川を彩る「神秘の天の川」

そんな銚子川を1年に1度だけ天の川のような幻想的な光景に変えるという「きほく七夕物語」。

灯りをともした「願い星カプセル」を西暦の数だけ流す神秘的なイベントを通じて、町内外の来場者の“心の癒やしを目指したい”という有志の人々の願いから11年前に始まり、今では全国から5000人以上が集まる紀北町を代表する夏の風物詩の一つになっています。

まずは願い星作りから

イベントの会場があるのは銚子川の中流部にある「種まき権兵衛の里」。権兵衛が種まきゃカラスがほじくる〜♪で有名なあの権兵衛さんの故郷がこの紀北町の便の山なんです。

銚子川河川敷(三重交通海山バスセンター)もしくは海山公民館横の2ヶ所から、会場までシャトルバスに乗って移動します。会場では唐揚げやかき氷といった定番のメニューに加え、サンマ寿司にめはり寿司など東紀州ならではの食べ物の物販も行われていました。

その中で「願い星カプセル」を販売しています。短冊付きのカプセルは1つ200円。可愛いハート型カプセルは1つ500円です。

参加者は短冊に願いごとを書いてLED電球の入った直径15センチの透明なカプセルに入れます。

この時点ですごくキレイ!思わずこのまま持って帰りたい気分になりましたが、お持ち帰りはNGなので、しっかり川に流しに行きましょう。

願い星は会場から600mほど離れた場所にある「キャンプinn海山」から放流。

光り輝く2017個のカプセルは無数の星がきらめく天の川のような幻想的な光景を作り出します。種まき権兵衛の里まで、ゆっくりと漂い、そこで回収されます。

写真ではなかなか伝わりにくいですが、ゆらゆらと川を流れるその様子はまるで蛍のよう。いつまでも見ていたいような、気持ちが洗われる素晴らしいイベントでした。

イベントの締めくくりは三重県で一番早い(?)ともいわれる打ち上げ花火。いよいよ本格的な夏が始まるのだなと嬉しい気持ちになりました。

紀北町の皆さんの郷土を愛する気持ちが溢れた「きほく七夕物語」。また是非参加したいと思います!