世界に売り込め!日本の切り札「協生農法」

5月から私が挑戦している協生農法の畑で、先日おもしろい野菜が収穫できました。

引き抜いてみると・・・

じゃん!白人参という種類のニンジンなんですが、すんごい形してますよね。

普通はこんな感じで一般的なニンジンと同じような形に育つのですが、僕の畑はまだ土が硬く、なかなか真っ直ぐに根を張れないため、グニャグニャと曲がった不思議な形になってしまっていました。

でもこのニンジン。

よく目をこらすと、まるで歩いているように見えませんか?

大地に根を張り、力強く生きるニンジン。

協生農法は「無農薬」「無肥料」「不耕起」で栽培を行うため、野菜達はとても厳しい環境の中、自分の力だけで育っていきます。この2本足で歩くように見えるニンジン、こうした環境でも1歩1歩成長して行こうという前向きな生命力の強さを感じました。 

今日は、こうした協生農法で育った野菜が、もしかしたらEPAやTPPなど自由貿易の中、これから日本が世界と戦っていく上で切り札になるのでは!?というお話です。

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自由貿易は向かい風?それとも追い風?

先日(7月6日夜)、日本と欧州連合(EU)の間でEPA(経済連携協定)が大枠合意したことを受け、政府は農業の競争力強化策を講じる考えを示しました。最近、よくニュースなどでも耳にすることが多いと思います。

要は、自由貿易として関税を撤廃してお互い得意文化の産業を世界に輸出していきましょうということですね。日本の場合は自動車産業欧州はチーズやワインなどの関税が下げられる見込みになっています。 

こうして輸入品が安く手に入ることは消費者にとっては嬉しい反面、一方でワインやチーズなどを国内で作っている方々にとっては、今回のEPA交渉の結果、安いチーズが外国から入ってくることで経営に影響がでるのではないかと心配の声が上がっています。

巨大なライバルが出現するわけですから非常に困った話なわけです。売り上げが減少して国内のGDPが下がると日本全体の景気も悪くなりますしね。

TPPの時には自由貿易になって世界中から安い農産物大量に集まることで国内の農家が脅かされる、自分達が作った野菜が売れなくなると農業分野を中心に生産者団体などから猛反対の声が上がっていたのも記憶に新しいですね。

その中で、安倍総理大臣が政策として掲げているのが「攻めの農業」といわれる政策。農林水産物の輸出額を2020年までに現状の2倍近い1兆円規模へ拡大する意欲的な計画です。世界的な和食ブームを背景にEU域内に国産の農産物や食品などをどんどん輸出拡大を図っていこうと考えているようです。

世界と戦うためには大規模農業でさらに効率化を進めるしかないと考えているそうですが、そもそも国土の狭い日本で、アメリカや中国、オーストラリアなど広大な農地を誇る国々と同じやり方で戦っても勝てるはずがありません。

しかも、大規模農業化すれば大量生産を計るために、どうしても化学肥料や農薬、除草剤などに頼らざるを得なくなる。そうすると地球環境をどんどん破壊してしまうという元も子もない話になってしまいます。

農業と温暖化の密接な関係

平成21(2009)年、アメリカ海洋大気庁(NOAA)が、人間活動に伴って排出される最大のオゾン層破壊物質は「化学肥料や家畜糞尿(有機肥料)などに含まれる亜酸化窒素」であると発表しました。

亜酸化窒素は地球温暖化の原因の一つといわれる二酸化炭素の 300 倍以上の温室効果があるという信じられない報告も。つまり農薬や肥料を使えば使うほど温暖化は進み、地球環境を破壊していくというのです。もちろんこれだけが原因ではありませんが、驚きの報告ですよね。

世界と戦う切り札が「協生農法」!?

大量生産という同じ土俵で戦って勝てないんだったら、どうすれば勝つことができるのか。

もっと日本独自のやり方で世界にアピールしていく方法はないのか、そのヒントが「協生農法」にあるのではないかと思います。

繰り返しになりますが、協生農法とは「無農薬」「無肥料」「不耕起」で行う自然栽培の一つ。畑を野山のような状態に近づけ、雑草や鳥や虫など自然の力を借りながら野菜を育てようという農法です。

この協生農法が「日本ならでは」「日本にむいている」と思う点が2つあります。

1つめは「日本の降水量の多さ」

日本の年間降水量は1キロ平方メートル当たり1,728ミリ。フィリピンの2,360ミリに次いで世界2位なんです。世界の平均は807ミリですから、日本の降水量は世界の2倍以上!

この膨大な雨は、野菜たちが育つ原動力となります。そのため日本は協生農法のように「無農薬」「無肥料」でも、そもそも野菜が育ちやすいという大変恵まれた環境だといえます。

現在、ヨーロッパなど欧米諸国では残留肥料による硝酸態窒素が引き起こす健康被害が問題視されていますが、こうして育った協生農法の野菜は誰がどう見ても安心安全。食べた人が健康になり、さらに環境にも優しい野菜。世界中で日本だけのオリジナリティーです。

最近少しずつ海外に「SHIZENSAIBAI」という言葉が浸透しつつあるそうですが、実は自然栽培にはコレといった定義がなく個人の裁量であいまいな部分が多い。そこでマニュアルが決まっている協生農法の方が売り出しやすい、受け入れやすいのではないかと思います。

2つめは「太古から受け継がれた日本人の自然への思いやりの心」。

有史以前から巨木や森、川や岩に至るまで万物に神が宿るという自然への信仰が深かった日本人また、桜など花を愛でるなど植物を大切に崇めてきた日本の文化は、ありのままの自然と向き合う「協生農法」に非常に合致していると思います。

こうした日本らしさは「DEEP JAPAN」として諸外国からしてみても非常に魅力的に映るはずです。

s先述のホワイトニンジンのように協生農法で作った野菜は形が不揃いになりがちですが、それも逆に「精霊(エレメント)ニンジン」なんて付加価値をつけて売り出せば、きっと海外にウケると思うんですけどね。

大量生産で安い野菜を作って薄利多売で競争して疲弊するより、付加価値を見つけながらいかにブランド化して売り出していく方がよほど戦える武器になると思います。

安心安全な食品が求められる昨今、協生農法のような世界にない農作物を出せば、必ず新しい販路や輸出先がでてくるはず。三重県発で世界に挑む切り札が誕生するかもしれません!!

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