生きろ、生きろ、生きろ!「明日の神話」@渋谷マークシティ

先週の日曜日、神奈川県にある「川崎市岡本太郎美術館」でパブリックアートを浴びてきた私。

渋谷の街中にも岡本太郎が制作した作品が残っているということで、昼食休憩の際その一つを観に行くことに。

パブリックアートがあるのは渋谷駅に隣接した「渋谷マークシティ」。

京王井の頭線とJR山の手線を結ぶ連絡通路にその作品はあるといいます。

向かってみると

目の前に飛び込んでくる高さ5.5メートル幅30メートルの巨大な壁画。

原爆をテーマに、その悲劇を乗り越えていく人間の生命力を表現した作品明日の神話」です。

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「明日の神話」は「太陽の塔」の対となる作品?

一日300万人以上が利用するという渋谷駅に飾られた「明日の神話」。

しかし、最初から現在の場所に展示されるはずではありませんでした。

本来、1968年のメキシコオリンピックが行われる際、地元ホテルのオープンに伴い飾られるはずだったこの作品。

しかし、そのホテルの建造計画は途中で頓挫。そのため「明日の神話」が日の目を見ることはありませんでした。

長らく詳細不明になっていた壁画が2003年に奇跡的にメキシコの郊外で発見されたことから、日本へ持ち帰り修復。2008年に今の場所へ飾られることとなったそうです。

ちなみに、この作品と同時期に並行して太郎が作っていた作品があります。

それが、太郎の代表作である「太陽の塔」。

そのためか、太陽の塔と明日の神話は対をなす作品だという捉え方もあるそうです。

私なりに「対かどうか」考えてみたところ、確かにそう捉えることができないわけでもないのではと思いました。

太陽の塔は言うまでもなく「万物の力の元である太陽」を表現した作品。

途絶えることなく常若に満ち満ちたエネルギーは全ての生命の源です。

明日の神話の中央に描かれた「燃える骸骨」。

骸骨のように見えますが、よく見るとその周りに白いフレアのようなものが見えます。

これは人類が生み出したもう一つの太陽「原子力」を表現していると捉えることができるのではないでしょうか。

画面左には、その原子力の力を手に入れた人々が描かれています。

壁画に近づくと原子力の強大なエネルギーがせり出していました。

太陽の塔が生命力あふれる「陽のオーラ」だとすると、明日の神話はおどろおどろしい「陰のオーラ」。

画面右には死の灰を浴びながら漁を続けている「第五福竜丸」の姿も。

ピカソの影響を強く受けていた岡本太郎。この作品は「太郎版ゲルニカ」といったところでしょうか。

生きて、生きて、明日の未来を切り開け

戦争と原爆に対する怒り、そして悲劇を乗り越えた日本人の姿を描き出した「明日の神話」。

でも、何故このようなまがまがしく見える作品を1日300万人以上が訪れる渋谷駅に飾る必要があるのか。

そんな声も少なくなかったといいます。

しかし、私はこの作品の奥にある太郎のメッセージを感じ取りました。

過去から逃げるな。過去があるから今がある。その力をどう使うか、どう無くすか、それは君たちが決めろ。

明日の神話を作り出すのは誰だ?それは今を生きる君たちだ。今を真剣に生きることこそ「人生であり芸術」だ。

生きろ、生きろ、生きろ!今を生きて明日を生きろ!!!!! 

今という瞬間を爆発させ、未來を切り開いてみせてくれ!

「太陽の塔」と「明日の神話」

2つのパブリックアートは人類が未来へ向かって進むべき在り方を訴えかけているような気がします。

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